『ピアノの音をきれいに響かせるために』
ピアノの音色や強弱を変えるのは指先ですが、ピアノの音を美しく響かせたい時は、『手首を脱力して使う』ことが大切なポイントです。手首には様々な使い方があり、沢山の役割があります。
音を響かせたい時、手首の力を脱いて打鍵すると、明らかに音の響きが変わり、ピアノ自体が響いていることを実感します。
生徒さん達に、脱力して弾いた音と、力を入れたまま弾いた音を聴き比べてもらうと、「全然違う!」と言います。
音を大きく鳴らしたい時も、脱力して、手首のバネを使って重みを乗せることで、ぶつけたような音ではなく、大きくきれいに響かせることが出来ます。
生徒さんにはよく、「トランポリンで跳んでるように」という表現を使いますが、手首をバネのように使う感じです。
長くて速いパッセージを弾く時は、フレーズの合間に手首を抜いて、手首の力を逃がします。歌の途中にブレスを入れるのと同じです。
一つのフレーズを弾く時、音型に沿って手首を動かすことで、フレーズをなめらかにきれいに弾くことが出来ます。
音と音が離れている時も、手首を使うことで跳躍しやすくなり、ぐっと弾きやすくなります。
手首を使うことは、音を響かせるだけでなく、テクニックにも大きく関わってきます。ミスタッチの軽減にもなります。
小さい生徒さんはまだ指力が弱いので、大きな音を出すことはなかなか難しいですが、手首を使って弾く方法がマスター出来ると、手が小さくてもしっかり音が出せるようになってきます。
ワンランク上の魅力的な演奏を目指すには、『脱力して手首を使うこと』が重要なポイントになります。
手首を脱力することは、決して簡単なことではありませんが、生徒さんには少しずつマスターして欲しいと思って指導しています♪