前回のブログ「ピアノを素敵に弾くために、次のステップへ」に登場した、Fちゃんの発表会のエピソードです。
発表会は、家族やお友達に自分の演奏を披露する、とても大切な舞台です。
選曲には時間を掛けて、それぞれの個性が生かせる曲、そしていつもより少しレベルの高い曲を選びます。
Fちゃんには、中田喜直の変奏的練習曲を選びました。
同じテーマが使われていますが、各変奏毎に全く性格が異なるので、音楽的にも技術的にもレベルが高く、コンクールでもよく弾かれる難曲です。
Fちゃんはコツコツとまじめに取り組んでいましたが、やはり仕上げの段階ではとても苦労しました。
なかなか速いパッセージをミスせずに弾くことが出来なかったり、暗譜がスムーズにいかなかったり…。
「家で泣きながら練習しています。」とお母さんからSOSがあった時もありました。
Fちゃんなら絶対に仕上げられると信じていましたので、うまく弾けない所の具体的な練習方法を指導しつつ、気弱になっている彼女をとにかく励ましながらレッスンしました。
段々と気持ちが前向きになっていったFちゃんは、毎日一生懸命練習を頑張りました。ミスせず弾けるようになり、Fちゃんのピアノの音の響きがどんどん良くなっていくのがわかりました。
そして迎えた発表会・・・。
Fちゃんの演奏は本当に素晴らしく、見事でした！
舞台裏で聴いていた私は、堂々と演奏しているFちゃんの後ろ姿を見ながら、それまでのことを思い出して涙が出てきました・・。
Fちゃんは弾き終わって舞台裏を出た途端、出迎えたお母さんと一緒に、嬉しさと満足感で大号泣したそうです。
聴きに来られていたFちゃんのおばあちゃんやご家族も、Fちゃんの素晴らしい演奏に大変感動され、彼女の成長ぶりに驚かれていたそうです。
発表会が終わった後、Fちゃんのお母さんが、
「今日の喜びは一生忘れられないと思います。本当に素晴らしい発表会になりました。」と大変喜んでおられました。
私にとっても、この発表会のFちゃんの演奏は、心に深く残る思い出のひとつとなりました♪
発表会を最高の舞台にするために、細かく丁寧にレッスンして、完成度の高い曲に仕上げます。
生徒さん達は一生懸命頑張った分、演奏した後は満足感一杯だと思います。
発表会を終えた後の生徒さん達の成長ぶりは本当に素晴らしいです♪